VMware NSX Advanced Load Balancerについて
今回はオンプレ、クラウドのハイブリッド構成などで活躍するVMware NSX Advanced Load Balancerについてご紹介したいと思います。
1. VMware NSX Advanced Load Balancerとは
簡単に言うと、VMware NSX Advanced Load Balancer(NSX ALB)はVMwareの仮想環境上で動作するロードバランサーです。
構成としては単純で、1台のControllerと複数のService Engine(SE)で構成されます。
■NSX ALBの構成
SEが通信のロードバランスを行い、SEの制御をControllerが行うという形です。
物理のロードバランサーとの違いとしては、通信が増大してSEのリソースが足りなくなった場合に自動的にSEを追加して通信が正常に流れるように制御することが可能という点や、複数のDCや、クラウドとオンプレとのロードバランスを行うGSLBという機能が搭載されている点が大きな違いとなります。
ですので、例えば特定の期間だけ通信が増大するECサイト等を運用している環境などで負荷の最大値に耐えられるだけの物理環境を用意するとなると、平常時に機器の性能をほぼ利用しない環境となってしまったり、それだけの機器を常に運用しなければならないためコストが増大してしまうなどといった問題がありますが、NSX ALBであれば負荷が増大するタイミングでSEを増やすだけで済むので前述のような問題を回避することができるメリットがあります。
※ただし、NSX ALBのライセンスを購入しておく必要はありますのでご注意ください。
2. 可視化と分析
NSX ALBの特徴として、上記以外にもログの可視化により通信の分析がしやすくなっているという点があります。
以下はあるアプリケーションに対してアクセスした際の1つの通信のログですが、クライアントがアプリケーションにアクセスして応答があるまでにどこで時間がかかっているのかが一目でわかるようになっています。
これにより、どこに問題があるのかといった原因究明や、サービスサイトのSLAを満たしているかといった確認もしやすくなっています。
■可視化されたNSX ALBの通信ログ
3. サービスの自動化
NSX ALBは様々な自動化ソリューション、クラウドと連携することが可能でなので、たとえばサービスの拡張や縮小時に他のシステムと連携して自動的に制御することも可能となります。
■NSX ALBの連携イメージ