NSX ALBのGlobal Site Load Balancingについて
今回はNSX ALBのGlobal Site Load Balancing(GSLB)機能について書きたいと思います。
1. GSLBとは
GSLBは、複数のDCやクラウド環境など、さまざま場所にあるサーバや仮想マシンに対して負荷分散を提供する機能です。
ですので、例えば東京、大阪それぞれにあるシステムに対してユーザーからのアクセスをNSX ALBで分散させるといったことが可能となります。
2. GSLBの通信フロー
ではどうやって異なる場所の負荷分散をおこなっているかですが、以下では複数の場所にオンプレミス環境を持っている場合を想定して記載します。
ユーザーがWebサービスにアクセスする場合、通常はDNSが返答したIPアドレスのサイトに接続することになります。
この時、DNSのラウンドロビン等で負荷分散することは可能ですが、それでは各サイトの負荷を考慮した負荷分散までを提供することはできません。
NSX ALBのGSLBでは、DNSでの名前解決をALBに移譲させることで、ユーザーからのリクエストをどのサイトに振り分けるかをロードバランスルールに従って返答させることが可能となります。
この時のロードバランスルールは、クライアントのロケーションやサイトのヘルス状態、LBアルゴリズム等を設定することが可能です。
それによってALBは振り分ける先のサイトのIPアドレスをクライアントに返答し、クライアントはその返答に従って接続をする、という流れになります。
上記ではオンプレサイトが複数ある場合で書きましたが、オンプレとクラウドのハイブリッド、複数のクラウド構成の場合でもGSLBは設定可能です。
今後、クラウド環境の利用はどんどん増えていくと思いますので、上記のような構成も増えていくと考えられるのではないでしょうか。